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続報:FIPを治療できるものに!治療の3つのポイント

以前のブログ→FIPを治療できるものに!(治療プロトコル掲載)
FIP(猫伝染性腹膜炎)にシクロスポリンを用いる新しい治療法
を報告させていただきました。
その後、紹介したハワちゃんは残念ながら亡くなってしまいました。

今回、シクロスポリン治療が奏効しているゲンちゃん
について良い報告をさせていただきます。 


愛猫がFIPと診断され絶望の中にいるあなたにも、
諦める前に取り組めることがあります。
FIPへのシクロスポリン療法は試してみる価値があり、
強くオススメします。

 

5か月齢、未去勢オスのゲンちゃん。
2日前から元気がなくなり、呼吸が早いようだと来院。
実はハワちゃんの最後の兄弟(同腹子)で、
5頭中4頭は既にFIPを発症して亡くなっていました。
そのため飼い主さんもFIPじゃないかと疑い
早めに連れてきてくれました。

39.4℃と軽度の発熱がありましたが、
各種検査の結果、他に疑わしい病気もありませんでした。
血液を日本獣医生命科学大学、獣医衛生学研究室の田中教授に郵送し、
FIPウィルスの遺伝子検査をしていただいたところ、
ウィルスの増殖が確認されました。

他の兄弟がFIPを発症していたこと、
FIPウィルスの増殖が確認されたことから、
ゲンちゃんをFIPドライタイプと診断し、
シクロスポリンの治療を開始(第0病日とする)しました。

この子だけでもなんとしても良くなって欲しい、
飼い主さんと僕の想いは同じでした。
1週間後の第7病日、
熱は40.8℃に上がり、ウィルス数も増加していましたが、
炎症反応(猫SAA)の数値は下がっていました。
すると、第14病日には熱も下がり元気も出てきて、
なんとウィルス数が減少していました。

第28病日にはすっかり元気になり
ウィルス数も検出限界以下まで下がっていました。
完全寛解(検査上はウィルスが見つからない)です。

その後、シクロスポリンは続けながら完全寛解を維持できています。

 

この治療法を行う際に少なくともポイントが3つあると思います。

その1. ちゃんとFIPと診断すること

他の病気がないか、
各種検査を組み合わせて除外診断をしておくこと。
その上でFIPウィルスの遺伝子検査(抗体検査では不十分です)を行い、
ウィルスの増殖を確認します。
民間の検査センターでも実施可能ですが、
前述の日本獣医生命科学大学、衛生学研究室
に依頼していただけたらと思います。
FIPを治せる病気にしようと日々研究に取り組まれています。
研究に協力していただくことで、
あなたの愛猫の命が、
その後不幸にしてFIPになってしまった猫ちゃんにも
繋がっていきます。

 

その2. 治療効果をモニタリングすること

すぐに目に見える治療効果が表れないことがあります。
その際、炎症反応やウィルス数を測定しておくことで
治療効果を確認することができます。
また、薬の量やいつまで治療を続けたら良いか、
検査でモニタリングすることで判断することができます。

 

その3. ちゃんと薬を飲ませること

猫ちゃんに薬を飲ませるのはとても大変です。
FIPになり元気食欲も落ちている猫ちゃんでは
さらに困難です。
かかりつけ医と相談して、
どうしたらうまく飲んでもらえるか
試行錯誤が必要になると思います。
当院ではしっかりカロリーを摂取してもらうためにも、
早期からの栄養チューブ(経鼻カテーテルor食道造ろうチューブ)
の設置を勧めています。
自宅で、栄養チューブから薬と流動食を入れてもらうことで
猫ちゃんも飼い主さんも
お互いの負担が少なくなります。

 

 

FIPは不治の病であり、有効な治療法がありませんでした。
シクロスポリンによる新しい治療法は、
試験管の中で(in vitro)ウィルスの増殖が抑えられることが分かり、
現在、生体に投与して(in vivo)治療効果を確認しているところです。
論文も書かれていて、理論のある治療法です。

残念なことにすべてのFIPに確実に効果があるわけではないようで、
研究が進められています。
あなたの愛猫がFIPを発症していることが分かった後でも、
諦める前に取り組めることがあります。

FIPにシクロスポリンを使用する治療法を知らない獣医師も多いです。
当院のブログを参考にかかりつけ医に相談して下さい。
その際、疑問点や治療のコツなどお気軽にご相談下さい。
急ぎの場合、お電話でも構いません。

さくらペットクリニックのFacebookページ
(「メッセージを送信」からメール下さい)
TEL:082-434-9177

かかりつけ医から田中先生に直接問い合わせいただいても良いそうです。
(飼い主さんからではなく、
 治療を行う獣医師から連絡してもらって下さい)
田中 良和教授の研究者情報→こちら

なお検査・治療には費用もかかるかと思います。
その点もかかりつけ医とよく相談してみて下さい。


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